【投稿日】 2003/5/21(水)19:01
【投稿者】 FC温泉
【質問タイトル】 【FC温泉】ロムセッティングの項目
【質問内容】---------------------------


こんにちわ。FC温泉と申します。

今週末、とあるガレージのチューナーと実走セッティングに出ます。
その人はかなり知識もあるでしょうが、僕もできるだけ事前にいろ
んなことを頭に詰めた状態でセッティングに望みたいと思います。

仕様は、御社ハイフロー強化アクチュエータにVマウント(GTRコア)、
ノーマルポートエンジン(OH後1000km)、純正ロムにB社SBC制御です。
ちなみに燃料ポンプはコスモ20B用を入れてます。

今回の目的はレスポンスとトルクの確保です。それを搾り出す為にパ
ワーはそこそこにしておいて(といっても380PSは目指したいですが)
ハイフローを最大限に生かす方向でセッティングを取っていきたいと
思います。純正ロムのデータを書き換えるだけなのでP-FCに比べると
マップも狭く調整幅も制限がありますが、自己診断機能は残しておき
たいので、あえて純正の弁当箱で攻めてみます。

ブースとの掛かりを早め(2000~2500rpm)にして中速域の加速を重視。
4000~6500の間で面白いぐらいにブーストがアクセルについてきて、
それ以上ではブーストがタレないように燃料補正。トルクはきれいなカ
ーブでピークまで登りつめて、そこからまた滑らかに落ちていくように。
トルクがいきなり落ちて、パワーだけが先行するような暴力的な車には
したくないです。トルクはピークで40kgは確保したいです。

ま、イメージばかり膨らんでいますが、こういった実走セッティングを
するときに重要なことってなんでしょうか?またどんな感じで詰めてい
くんでしょうか?空燃比計をつけて、じっくり一晩掛けてセッティング
を出す予定でいますが、燃料補正・ブーストデューティ制御などいろい
ろな項目があると思いますが、重要なのはどこですか?

また、ブーストの掛かりを早めにしたりとかは、純正ECUでもできるんで
しょうか?

セッティングのコツ、セッティング中にドライバーが気をつけることなど
あればお教えください。

長々と書きましたが、どうぞ宜しくお願い致します。


【回答 or お礼】---------------------
★おーはら
おーはらです。

FC温泉> 今週末、とあるガレージのチューナーと実走セッティングに出ます。

私も、昔はよく行ってたものです。
何度か死ぬような思いをしたのでやめました。(爆)
あと、セッティング中にA/Fを合わせても、それがトルクやパワーにどれくらい
影響したかが判らない、A/Fをいくつに合わせれば理想のトルクが出るかが
判らない為、やめたというのがホントのところです。
“実走セッティング”は聞こえはいいですが、数字による裏づけが取れないのが
最大の欠点であり、不確かなものだと思ってます。
私は、フィーリングによるセッティングは前時代的だと思ってますから。
これに関しては、そのうち別のページで詳しく触れますね。

FC温泉> 今回の目的はレスポンスとトルクの確保です。それを搾り出す為にパ
FC温泉> ワーはそこそこにしておいて(といっても380PSは目指したいですが)
FC温泉> ハイフローを最大限に生かす方向でセッティングを取っていきたいと
FC温泉> 思います。

レスポンスを確保するために最大馬力を抑えるというのはおかしな考えですよ。
最大馬力を抑えたからといって、レスポンスが向上するわけではありませんよ。
馬力というのは、エンジンが必要とする理想量の燃料を入れて、ちゃんと燃えきる
ように点火時期を調整することによって必然的に出るものです。
それは各回転域においても同様ですので、理想どおりのセッティングが行うことが
できたなら、必然的にレスポンスもよいということになります。

FC温泉> ブースとの掛かりを早め(2000~2500rpm)にして中速域の加速を重視。

これはエンジンの排圧とタービンの特性によるものですので、ブーストの掛かり始める
ポイントをタービンの持つ特性以上に早くすることは、燃調や点火時期の変更では
出来ませんよ。
高回転でブーストがタレないようにすることも、コンプレッサーの持つ風量には限りが
あるわけですから、これも不可能です。
ハイフローは、ノーマルタービンほどではないにしろ、高回転でブーストはタレます。

と、否定的なことばかり書きましたが、上記のことを頭に入れてイメージできれば
きっとうまくセッティングできると思います。頑張ってくださいね。


セッティングを進めてゆく順番としては、まず空燃比を自分の思い描くとおりに
合わせていきます。
これは、この回転域でブーストいくつの時はA/Fはいくつ、それから回転が上がると
ともにA/Fがこうなっていって、この回転から上は安全マージンとりながらこれくらい。
という風に、回転数やブーストによって変化するものです。
数値に関しては、お答えできません。
それは、ノウハウだからとか、意地悪(?)だとかではなく、そのエンジンの特性や
選ぶタービンにより変化する【排圧】にかなり影響するからです。
排圧があまり上がらない組み合わせならば、少々薄かろうが、点火進めようが、ノックは
出にくいですからね。
しかし、排圧が上がりやすい組み合わせの場合は、点火で排圧コントロールすることも
しなくてはなりませんし、点火を抑えることによる排気温度の上昇に対しても、燃料を
多めに入れてあげなければなりません。

A/Fをある程度理想に近づけたら、あとは点火時期です。
REの場合、リーディングとトレーリングの2つの点火時期があり、その点火時期の
間隔(スプリット)は、やはり回転域やブースト域で変化させてゆきます。
これも排圧に影響しますし、なにより、スプリットを変化させたときのトルク変化と
ノックレベルの変化を読み取る事が必要です。
実走セッティングではかなり困難だと思います。

FC温泉> セッティングのコツ、セッティング中にドライバーが気をつけることなど
FC温泉> あればお教えください。

ドライバーが気をつけるのは、まず安全運転です。(笑)
あとは、セッティングする人がMAP上の確かめたい箇所に、アクセル開度や回転数を
あわすことが出来るかという点です。
2人でやる以上、かなり困難だと思います。
これが一人で出来るシャーシダイナモでのセッティングはやはり楽で確実ですよ。

何事も経験ですので、やってみてください。
奥深いですし、ハマりますよ。
手を染め(?)始めの頃は楽しかったですもん。
ただし計測器や、それを保存したり、後から確認できるようなデーターロガーのような
機材は必要でしょうね。



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★FC温泉

おーはらさん、お返事ありがとうございます。


おーはら> レスポンスを確保するために最大馬力を抑えるというのはおかしな考えですよ。
おーはら> 最大馬力を抑えたからといって、レスポンスが向上するわけではありませんよ。
おーはら> 馬力というのは、エンジンが必要とする理想量の燃料を入れて、ちゃんと燃えきる
おーはら> ように点火時期を調整することによって必然的に出るものです。
おーはら> それは各回転域においても同様ですので、理想どおりのセッティングが行うことが
おーはら> できたなら、必然的にレスポンスもよいということになります。


ココ、「目から鱗」でした。なるほどね。

速い車は取り込んだ空気をきれいに燃焼させて、きれいに排気させて
その結果、必然的にレスポンスが良くなり、車を引っ張っていく馬力
にもつながっていく。自分ひとりの閉じられた世界で誤った認識とイ
メージで車を作ろうとすると、やっぱり速くならないですよね。中途
半端に「プライベータ」を語るのではなく、プロはプロのノウハウが
あるでしょうから、教えて頂ける限り教えて頂きたいし、正しい知識
の元で、セブンの持つ力を最大限に引き出してあげたいですね。そう
いう意味でロータリー乗りはいろんなショップの方が掲示板などでノ
ウハウもある程度公開してくれているので、恵まれているかもしれな
いですね。またおーはらさんが昔チューニングを始めたころは、そう
いった環境は無かったでしょうし。。。


おーはら> FC温泉> ブースとの掛かりを早め(2000~2500rpm)にして中速域の加速を重視。
おーはら>
おーはら> これはエンジンの排圧とタービンの特性によるものですので、ブーストの掛かり始める
おーはら> ポイントをタービンの持つ特性以上に早くすることは、燃調や点火時期の変更では
おーはら> 出来ませんよ。
おーはら> 高回転でブーストがタレないようにすることも、コンプレッサーの持つ風量には限りが
おーはら> あるわけですから、これも不可能です。
おーはら> ハイフローは、ノーマルタービンほどではないにしろ、高回転でブーストはタレます。
おーはら> と、否定的なことばかり書きましたが、上記のことを頭に入れてイメージできれば
おーはら> きっとうまくセッティングできると思います。頑張ってくださいね。

ロムセットでいじれる範囲でブーストの掛かりまで調整できるのでは
と思ってはいましたが、やはりできませんか。。。できる限りタービ
ンの性能を引き出せるようセットしてみます。タービンはあくまでも
「補機類」ですから、エンジンの力を引き出すサポート役に過ぎませ
んが、そのサポート役が思いっきり使えないことにはエンジンの持つ
力をすべて引き出せないと考えています。デカイタービンはそれなり
に馬力は出ますが、それをコントロールするドライバの力量も必要で
しょうから、今回はハイフローを極めてみます。(あと、冷却に水と
オイルの両方を使うということも、熱対策が大変なロータリーにとっ
てはメリットだと考えています)

おーはら> FC温泉> セッティングのコツ、セッティング中にドライバーが気をつけることなど
おーはら> FC温泉> あればお教えください。
おーはら>
おーはら> ドライバーが気をつけるのは、まず安全運転です。(笑)

大爆笑でしたが、基本ですよね。
一つ一つの動作を確実に行って、セブンと一体になってみます。

おーはら> 何事も経験ですので、やってみてください。
おーはら> 奥深いですし、ハマりますよ。
おーはら> 手を染め(?)始めの頃は楽しかったですもん。

いろいろとありがとうございました。
一回でセッティングがきれいに決まるとは思っていませんが、やれるだ
けやってみます。また結果、報告しますね。



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★FC温泉

おーはらさん。FC温泉号です。

こないだは実走セッティングについていろいろとお返事頂き
ありがとうございました。

昨日朝まで行ってきましたが、それはもう大変な作業でした。
安いE-manageでも入れておくべきでしたね。何せ走っては止
まってセッティング、走っては止まってセッティングの繰り
返しでしたから。参考にブーストアップ用に作ったロムをベ
ースにしましたが、インタークーラの大型化、タービンのハ
イフロー化、ブーストアップ1.0kgのために、全域で空燃費
が薄く、ブローの結構寸前まで行ってました。軽く回ってい
たのでちょうど合ってるのかな~なんて思ってましたがそれ
は燃料が薄いために軽く回っていただけで、トルクが付いて
きていなかったようです。んで、その後に全域で燃料を濃い
目にして、少しづつ絞っていくようにしていきました。

結果、まだまだ満足行く結果は出ませんでしたが、マージン
をとった燃調とトルクも乗るようにはなりました。



セッティングって、ほんとキリがないですね。




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★おーはら
おーはらです。

報告ありがとうございます。

FC温泉>何せ走っては止まってセッティング、走っては止まって・・・

ロムエミュレーターという機材を使えば、走行中にリアルタイムでROMの中身を
いじれますから便利ですよ。
頑張ってください。



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